主にコウモリの研究をおこなっています

コウモリは哺乳類の中で唯一空を自由に飛び回ることができる夜行性の哺乳類です。

世界には1100種以上のコウモリ類が生息し、様々な環境に適応し、地球上に広く分布しています。

日本列島ではこれまで37種のコウモリ類が記録され、うち2種は絶滅したとされています。日本列島でもっとも最近になって発見されたのは、ヤンバルホオヒゲコウモリとリュウキュウテングコウモリで、1996年に沖縄のヤンバルの森でみつかりました。現在でも、日本列島に生息するコウモリ類の多くで分類学的な問題が残されており、何種分布しているのかについては様々な意見があります。

 

コウモリ類は自由に空が飛べるのに、種ごとに分布域が限られているように見えます。

何故でしょうか?いったいどこまで飛んでいけるんでしょうか?

そして大陸に生息する種と日本列島に生息する種は同種なのでしょうか?違う種なのでしょうか?

 

コウモリの住処は洞窟や人家というイメージがある人も多いと思いますが、日本列島のコウモリ類の多くが森の中に棲んでいるとされています。木の洞穴の中とか、木の割れ目とか、枯れ葉の中などです。種ごとにそして季節ごとに利用する場所が違うと考えられていますが、よくわかっていません。

 

日本列島に生息するコウモリ類のうち、南西諸島や小笠原に生息するオオコウモリの仲間はフルーツを食べています。それ以外のコウモリ類は全部昆虫をメインに食べる種と考えられています。でも、どの種が何を好んで食べているのでしょうか?実は好みの餌動物がわかっている種がとても少ないのです。

 

そうなんです、コウモリについて私たちはほんの少ししか知っていることがないんです。

そんな不思議いっぱいのコウモリ類の世界を一緒に覗いてみませんか?

 

河合研究室では、様々な環境でコウモリを捕獲して捕獲記録を取ること、ねぐらを探すことなどに加えて、コウモリ類の音声を録音したり、電波発信器やGPSのタグを装着して夜の行動を追ったり、DNAを調べたり、あの手この手でコウモリ類を調べています。