東海大学銀嶺荘は1974年から2022年まで、管理人が駐在する学園の厚生施設として運営されていました。
銀嶺荘は春香山(907m)の8合目(標高約700m)にあたる札幌市南区定山渓国有地第2385林班イ林小班,北緯43.06,N,東経141.06,E,標高700mの場所に位置する山小屋でした。昭和初期から、夏はハイキングを、冬は山スキーを楽しむ登山者が訪れ、多くの方々に利用されてきた歴史があります。周辺には建設物等もなく豊かな自然と多くの野生生物が生息し、人為起源物質の影響をほとんど受けない清浄地にあることから、生物・環境調査プラットフォームとしての春香山銀嶺荘の役割とその可能性も議論されたことがありましたが、2022年3月に閉鎖され、2023年6月に取り壊された壊されました。初代の小屋から数えて89年の歴史に幕を閉じたことになります。
山小屋の周辺には建物等はなく、小屋内では携帯電話も通じませんでした。1960年に建てられた3階建ての山小屋は、電気も水道もなく、ランプやわき水を使っていました。1階は薪などの貯蔵庫、2階には3階まで吹き抜けになった大きな薪ストーブがあり、夜には食堂に。3階はそれぞれ2段ベッドを備えた寝室が4部屋ありました。
ここでは、山小屋の歴史と思い出の一部を紹介します。
1934年(昭和9年)12月に、北海タイムス(現北海道新聞)社によって道新銀嶺荘として建設され、1948年(昭和23年)11月に老朽化して一時閉鎖されました。北海道新聞社創立10周年記念事業の一環として、1960年(昭和35年)11月に現在使用中の建物が再建されました。1970年に管理人が一時不在となり閉鎖され、1974年(昭和45年)より、東海大学に銀嶺荘という名前とともに移譲され「教室内では味わえない人間関係の確立を目指す教育施設」となりました。
石狩湾を眺めながら山頂から一気に滑り降りるダイナミックな冬山スキーが特に人気で、冬はスキーヤーに、夏は登山者に、長く利用されました。閉鎖される直前の2018年には宿泊施設として、または休憩所として年間で平均1000名以上の方々が利用していました。
東海大学でも、学生や教職員、短期留学生等が福利厚生施設として利用していました。ランプの光の下で、食事を囲みながら仲間と過ごす時間は、現代社会において大変貴重な体験となっていました。
海洋生物科学科では、濾過式雨水採水器を設置し、降水や大気エアゾルのモニタリングを20年以上続けていました。雨水に含まれる化学物質等のモニタリングによって、札幌周辺の環境変動だけでなく、アジア諸国やロシア極東部からの化学物質の影響を長期的に観察し続けていました。
また、銀嶺荘に至る林道上で動植物調査を行ってきました。これらの結果より、春香山周辺では多様な生物が観察されていることから、良好な森林生態系が維持されていることが示されました。
研究論文
卒業論文
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
2012年度
2011年度
2011年度
連絡先:
〒005-8601
北海道札幌市南区南沢5-1-1-1
東海大学生物学部生物学科
河合 久仁子
mail: kkawai**tokai.ac.jp (**をアットマークに変えてください)
Tel:(011)571 5111(代表)
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